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2021

優秀賞

橫田采佳

Bquarium Display

概要

本研究では,本来行儀が悪いとされている「水に向かってぶくぶくをする」という行為を行うことで,聴覚や視覚で楽しむことができるとともに,「水に向かってぶくぶくをする」 という行為のイメージを変えることが目的である.
また,「Bquarium Display」はパック型 のデバイスに息を吐いてもらうことで体験者の吐いた息の量を測定し,それを水槽内で再 現することで,息を吐くという現実的な行為を肉体から分離するという,非現実的な体験をしてもらい,感じたことのない面白さを感じることが可能になるディスプレイである.

担当教授からのコメント

尼岡 利崇
Bquarium Displayは,人の吐く息を水という媒介を通して泡として視覚的聴覚的に鑑賞するインタラクティブアートである.
また,息を保存し再生できることから,他者の息を鑑賞することも可能にしている.
本作品の独自性は,背徳感によるカリギュラ効果をインタラクション技術に取り入れた点にある.
背徳感をインタラクションに取り入れる上で,誰しも経験したことがある,液体にストローで息を吹き込む「ぶくぶく」という行為を選択した着眼点も特筆に値する.
ゲーミフィケーションという言葉があり,目標を達成することで得られる達成感を利用し,ある行為に継続して取り組めるようにすることである.
本研究では,ゲーミフィケーションに代わる手法,言うなれば「ハイトクケーション」を提案している点が非常に興味深く,高く評価できる.
また,作品として非常に綺麗であるという点もインタラクティブアートとして評価できる,何より,見ていて美しく楽しい作品である.
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