FACULTY

教員紹介

山中 脩也 YAMANAKA Naoya

計算科学研究室

高品質な計算アルゴリズムに関する研究

専門分野

  • 高性能計算
  • 計算科学
  • 数学基礎・応用数学 
  • (キーワード:精度保証付き数値計算)

研究テーマ

数値計算、数値解析
精度保証付き数値計算
高性能計算(HPC)
高精度演算

研究分野とその概要

主にアルゴリズムに関する研究を行なっています。アルゴリズムとは、問題を解決するための手順や方法のことを言います。山中研究室では、コンピュータの中の数 値誤差に関するアルゴリズムから、人や機械の学習・推論に関するアルゴリズムまで幅広く対象としています。

数値計算とその『誤差』の世界

丸め誤差や打ち切り誤差などの『誤差』を考慮して、数学的に正しい結果を数値計算で得る計算法を『精度保証付き数値計算』といいます。広く利用されているソフトウェアでさえ も、数学的に間違った答えを、何の警告も出さずに出力することがしばしば観測されますが、精度保証付き数値計算を使えば、数学的に正しい答えが含まれた区間を必ず出力するため、信頼性の高い、高品質な計算を行うことができます。山中研究室ではこれまでに、積分区間や被積分関数に「無限」を含む『積分』について精度保証付きで求めるための計算アルゴリズムや、機械学習などでも頻繁に利用される『微分』の計算について高速に精度保証付きで求めるための計算アルゴリズムなどについて開発を行ってきました。

行動と知覚の循環による『学習と探究』の世界

機械学習での応用だけでなく人間にも適用することを想定した、広い意味での『学習アルゴリズム』について、これまでに広く知られている学習や推論をするための理論をベースとして、脳活動の計測技術の発展とともに近年活発に議論が行われている脳神経科学での数理理論の知見と、日々進化する機械学習アルゴリズムの新規性を融合した、『エナクティブでエビデンスベースドな学習アルゴリズムを構築すること』を目指しています。ここでは特に、自由エネルギー原理に従う「行動」と「知覚」の循環的因果性の形成や、複数の推論(演繹・帰納・仮説形成)の組み合わせによる平衡状態の維持を目的として、脳活動を司る脳だけではなく、外部世界と相互作用している身体も使いながら外部環境を身体化する方法について、理論と実践の両面から試行錯誤を続けています。山中研究室で考案された学習環境は、明星大学情報学部や教育学部の科目で活用されているだけでなく、小学校やイベントでの学習・体験に幅広く活用されています。

卒業研究題目例

・精度保証付き四倍精度初等関数 / 特殊関数計算法の構築
・高速・高精度・高可搬な区間積計算法の実装
・変形 Bessel 関数の精度保証付き数値計算法
・半無限区間の振動積分に対する精度保証付き数値計算法