電子制御を介して実世界で音を奏でるサウンドインタラクティブシステムの提案

概要

本研究では電子制御を介して入力操作を行い，フィードバックとして実世界で音を鳴らすサウンドインタラクション手法の提案を行う．
本研究は，用意された石の中から使用者が気に入ったものを4つ選択し，MIDI コントローラで操作を行いソレノイドで打撃を与えることで音を鳴らす楽器である．
演奏する際に，使用者自らが鳴らす音を選定することで，従来の楽器とは異なる演奏体験を提供し，個性を音で表現することを目的とする．

担当教授からのコメント

尼岡利崇

sToneは，生活環境に存在する物，今回は石に着目し，それを音で楽しむ作品である．
石を選び，楽器を作り，演奏するという本作品により得られる一連の経験から，物質の特徴を聴覚により捉えるきっかけを与えている．
また，演奏者は多くの石の中から自分の好みの石を選び，sToneにそれを組み込み楽器を作る過程で，石の形状を含む石そのものを視覚により観察するきっかけが得られる．
これらの点から，聴覚のみならず視覚を通しても生活環境を捉え直すきっかけを与えている点がユニークである．
自分が選んだ石で楽器を作り演奏出来る，そんな楽しい体験ができるのがsToneであり，作品として評価できる．
石以外に次は何が楽器になるのか，今後の発展を期待できる作品である．