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池上 瑛世

IoTデバイスにおけるセキュリティソフト導入の検討
Consideration of security software implementation in IoT devices

概要

総務省の情報通信白書令和3年版によれば,世界中のIoTデバイス数は2020年までに253億台存在している.また,その中でも医療分野や家庭向け家電(コンシューマー),産業用途といった分野に対して高成長が予想されている.IoT機器は数や種類,使用用途が豊富であることや,スペック等の問題からアンチウイルスソフトの導入が困難とされており,ユーザ側で有効な対策が実施できないとされている.
また,情報通信研究機構(NICT)が運用するサイバー攻撃観測網(NICTER)が2020年に観測したサイバー攻撃関連通信について,約4割がIoT機器を狙った攻撃であったとしている.
こうしたことを背景に,近年のCPU,メモリ等の軽量化が進んでいることに着目し,IoT機器のスペックを考慮したセキュリティ対策ツールの調査および導入を検討し,問題点についても明らかにする.

担当教授からのコメント

末田 欣子
本研究は,PCのようにセキュリティソフトを導入できないIoTデバイスのようなスペックの低い機器においてのセキュリティ対策についての研究である.個人利用機器を対象にした商品はなく,比較するための組込み機器開発者対象のセキュリティソフトをインストールすることに苦労していたが,複数のOSやコンパイラのバージョンの組合せによるエラーを経験することができ,試行錯誤をすることにより得られたスキルは今後に活かせることと思う.また,低スペックのIoTデバイスでできるセキュリティ対策を検討し,メモリやCPUへの影響を評価することができた.
この場を借りて,快くソフトを貸与頂き,ご協力頂きました東芝情報システム株式会社に感謝致します.
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