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小池 空

正多面体図法を用いた球体と多面体における表面積の比較と360°画像を取り込んだ球体への利用

概要

地球などの球体の情報を一度に全てを見渡すためには,球体を平面化することが必要である.先行研究である「正多面体図法を用いた歪みの少ない長方形世界地図図法の提案」では,地球を正四面体に近似し,得られた正多面体を展開することで,面積の歪みが小さい長方形地図(オーサグラフ)で地球の地理情報を表現している.その中で,他の正多面体に近似を行うことで,表面積誤差を小さいよりよい地図を得られるのではないかと考えた.そこで,本研究ではオーサグラフの特徴を明らかにし,その特徴に基づいた表面積誤差の小さい地図について検討を行う.その上でオーサグラフの応用例としてより正確な地図について提案をすることを目的とした.面積に着目する手段として,球と近似された正多面体の表面積の比率を計算することとした.

担当教授からのコメント

山中 脩也
Authagraphは1999年に鳴川によって考案された世界地図投影法です.これまでに球体(地球)を平面にする方法は,The Mercator projection(1500年代)やPeirce quincuncial projection(1800年代)など多くの投影法が提案されてきたが,20世紀の後半に新たな投影法が考案されたことは,その研究内容の奥深さを感じさせてくれます.Authagraphの面白さのひとつは,東京とブラジリアを線で結ぶときに感じることができます.
地図によってはその線はずっと太平洋上を通る場合がありますが,この地図は北米大陸を経由する意味を提示してくれます.
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